温暖化の季節への作用

中緯度帯かつ大陸東岸域にある日本では、四季の移り変わりが明確で人々は古くからこの四季の動きに生活活動や生活リズムを合わせてきました、気象観測の術も測器もない時代を通じて、四季の移りが自然を彩らせる現象、草木の開花、紅葉や鳥の初鳴きなどに注目して、人々は農作業を始めたり、春の訪れを愛でたりしてきました。

よく目にする動物や植物たちが季節の変わり目に示す現象が生物季節の目印として利用されています、環境の急激な人工化のために私達の周囲からこれらの指標生物が日一日と消えており、だんだん生物季節の観察も難しくなってきたようです、、温暖化が進むと困難は更に大きくなる事でしょう。

このように周辺の動植物の営みの変化から四季の移り代わりを確かめるのが生物季節です、生物季節という名称は別として、古く京都では天皇や将軍が花見宴をした日付が残っていて、これを古気候の復元に利用する研究も進んでいます、それによると11世紀~16世紀にかけて桜の開花日が他の時代より遅く、春が遅かったのではと言われています。

ソメイヨシノの開花日

多くの人々が春の訪れと共に心待ちにする桜、ソメイヨシノの開花日の予想は、気象庁の重要な生物季節観測の1つです、1951年に関東地方からスタートし、五年後からは全国で行われ、季節の情報として人々に親しまれています、それらの資料を基に作成されたのがソメイヨシノ開花日の全国分布図です、3月25日に九州四国の一部に現れた開花前線は、季節の進みにつれて北上し、四月末ごろに津軽海峡を渡って北海道に上陸します、そして五月中旬に道東地区達し、約二ヶ月間の日本列島横断のたびを終了します、現在までの観測では、開花日は緯度一度を北上するのに約5日~7日、標高100m登るのに約2日を要するのが普通でした。しかし最近のように暖冬や春先の昇温が一般化していくと、人間だけでなく野山や草木も地中の虫達も四季のリズムを正確にキャッチできなくなってしまいます、本当にソメイヨシノの開花日は温暖化の影響を受けているのでしょうか。

1970年代以降の温暖化につれ開花日も4月初めから3月中旬に速まっています、この結果から増田氏は3月の平均気温が1度上昇すると開花日が2日~3日速まる傾向があり、これは全国的に適応できるといっています。そして2050年ごろの温暖化時には、京都付近ではソメイヨシノは3月上旬に開花する可能性があると予想しています、しかし桜の開花には花芽の休眠打破のため秋から初冬にかけて一定の低温が必要です、休眠のさめた花芽は初春の気温上昇につれて生長して開花を迎えます、ですら秋から冬そして春にかけて高温が続くと生理過程が乱れて初春が暖かくても開花が遅れてきます。最近、九州や四国の暖地で桜の開花予想が意外とうまくゆかないのは、休眠打破に必要な低温が不十分なためと考えられています、温暖化は年間を通じて平均的に昇温するのではなく、冬季の昇温が夏季よりも大きいのが普通です、それゆえ将来花芽の休眠打破に必要な低温が不足し、桜だけでなく他の樹種でも春の発芽が乱れると心配されています。

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