温暖化による日本の植物の分布域の変化

3度~4度常温すると全ての植生気候帯はより北へ、高山域へと移動を余儀なくされる、寒冷な北方針葉樹林は北海道の狭い山地域に残るだけで、本州ではアルプス地区に認められるだけになります、北部温暖帯林の境界線は、温暖化以前の位置から200km以上も北上し、東北地方の北部に現れています、そして関東地方以南の平地域には、温暖化以前は九州南部に見られた南部暖温帯林が北上し、その後には現在南西諸島に広く分布する亜熱帯林が広がってくるものと思われます。

このような植生気候帯の移動は、個々の樹種の地域分布にも大きな影響を与えます、たとえば西日本の山地域に残っているブナ林の多くは、高温障害のため衰退するか、より高い山へと移動を余儀なくされるでしょう、しかし西日本には大きな山体は少ないので、温暖化で追い詰められ滅亡する運命にあると言われています、秋田県と青森県の県境にあり、世界遺産に指定されている白神山地塊のブナ林も温暖化の悪影響を受けると心配されています。

低温を好むエゾマツやミズナラの好適生存域は北海道に限られ、本州と四国九州の全域は高温障害域になります。一方暖温帯性のアカガジやコジイの好適生存域ですが、西日本の沿海平地域は北海道に限られ、本州以南の殆どはこの2つの樹種の好適生存域ですが、西日本の沿海平地域は高温障害域となり、アカガジやコジイの衰退が予想されます、公園や街路に広く植栽されているケヤキは、低温性の樹種と温暖を好む樹種との中間的な特徴を備えていることがわかります、温暖化に伴って好適生存域北海道の大部分に広がりますが、西日本では高温障害域がかなりの面積に広がってきます。

温暖化気候は各植物の生理活動度と分布域の変化を通じて、植生群の純一次生産量に影響します、植生の古生態学的および環境考古学的な研究から、日本の自然植生は最終氷期から縄文温暖旗を経て、現在の植生分布に至った事が知られています、そして花粉分析から各時期の植生分布図が復元されています、次の過程を用いて日本列島の自然植生のポテンシャルな純一次生産量を評価しました。

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