日本の稲作への作用

大気中の二酸化炭素濃度の人為的な上昇が注目されるようになって以来、C3植物とC4植物の比較が数多くの研究がなされています、肥料と水分をよく補給し病害虫防除をよく行ってやると、標準に比較してバイオマス生産量は40%、収量は26%も増加した事がわかります、この増加は高い二酸化炭素濃度大気の肥料効果と呼ばれています。

このような肥料効果は発現させて増収するには、十分な肥料、とくにリン酸肥料と窒素肥料を施すことが必要です、一方二酸化炭素濃度の上昇は温暖化と(とくに半乾燥地域における)降水の不安定化をもたらすと予想されているので、天水栽培の多い発展途上国では、高い二酸化炭素濃度大気の肥料効果の発現はあまり期待できないようです。

70億人を上回る人類を支えている食料の多くは、春から初夏にかけて種を撒き、秋末に収穫する夏作物に頼っています、コメやムギ類、大豆、トウモロコシなどがそうです、これらの作物は暑い天気の続く真夏に花を咲かせ、受粉して実を結びます、作物の花の雌蕊雄蕊は瑞々しい器官で高温や低音、そして乾燥などに対して非常に敏感です、それゆえ北日本東日本の稲作は七月の頃の低温によって大きな被害を昔から何回となく受けてきました、また亜熱帯や熱帯の稲作では高温によるイネの不稔が広く発生しています、夏季に異常高温の発生する大陸内部の畑作地では、大豆やトウモロコシの高温不稔、そして減収が大きな問題になっています。

日本の稲作への作用

イネの籾の不稔歩合が開花日の最高気温によって変化しており20℃以下ではほぼ完全に籾は不稔になって収穫皆無です、それより温度が上昇するにつれて不稔歩合は急減し、23℃以上になると殆どの籾が受精して稔りが得られます、しかし35℃を超えると再び不稔歩合が上昇してきます、これは高温と乾燥で雌蕊や雄蕊、そして花粉が機能を失うためです、このように低温域では低温障害が、高温域では高温障害が稔りを妨げているのです、イネの受精適温域をを広げる育種努力がなされていますが、その進歩は遅々としていて、適温域はまだ23℃~35℃という狭い範囲に限られています、温暖化は平均気温の上昇だけでなく異常高温熱波の頻発をもたらすもので、夏作物の高温対策は重要な問題です。

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