光合成と収量への余波

C4植物は地質時代に生じたい低い二酸化炭素の大気条件に適応する過程で生まれた植物種で、高温乾燥気候下でも高い光合成速度を発揮します、草原ステップの純一次生産力が1年辺り約10トン乾物/haと高いのは、これらの地帯にC4植物種が多く分布しているためと考えられています、作物としてはトウモロコシ、サトウキビ、アワなどが有名です。

CAM植物には、パイナップルやリュウゼツランなどがあります、これらの植物は日中気孔を閉じて体内の水分損失を防止し、夜間に気孔を開き外気から二酸化炭素を吸収して有機酸の形で蓄えます、そして日中には有機酸から二酸化炭素を遊離させ、気孔を閉じたまま光合成活動を進めるという特別な仕組みをもっています。

以上の様な性質のために、大気中の二酸化炭素濃度が上昇し続ける近未来においては、C4植物群よりもC3植物群が乾物生産の面から有利になると考えられています。

光合成と収量への余波

植物葉は気孔を開いて葉内へ大気中の二酸化炭素を吸収して光合成を行いながら、一方では葉内から水分を蒸発させています、この様子を電気回路に似せて表すと、二酸化炭素が大気中から葉内へ流入するためには、いくつもの抵抗に逆らって流れ込むことが必要です、抵抗に逆らって二酸化炭素を流れ込ませる力は大気中の二酸化炭素濃度と細胞内の二酸化炭素濃度の差です、二酸化炭素の放出でも同様で、抵抗に逆らって水蒸気を葉内から大気中へ送り出す力は、葉内と大気中との間の水蒸気濃度の差です。

このような二酸化炭素と水蒸気の拡散回路のなかでもっとも大きな役割を果たしているのは気孔の開き方に関係している気孔抵抗です、多く実験から気孔の開き方は日射の強さ、二酸化炭素濃度、葉内の水分含量などで大きく変化することが知られています、それゆえ葉または植物群の光合成速度も環境条件によって大幅に変化します、いまC3植物とC4植物の葉の光合成速度と二酸化炭素濃度との関係を表すと、現在の大気中の二酸化炭素濃度(約370ppmv)より低い二酸化炭素濃度域では、C4植物葉の純光合成速度がC3植物葉のそれを上回っています、しかし450ppmv~500ppmv以上という高い二酸化炭素濃度域では、C3植物葉の光合成速度がC4植物葉のそれを上回るようになります、このため近未来の高い二酸化炭素大気の条件下では、C4植物群の優位性は失われ、乾物生産の観点からはC3植物群が優位になると予想されています。

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