温暖化と作物と農業

すでに説明したように私達人類は莫大な化石エネルギーを使って、科学技術文明を楽しんでいます、しかし私達を生物として生かしているエネルギーは、毎日摂取するエネルギーの中に含まれている生存エネルギーです、この源を辿れば、それは緑葉をもつ植物群の吸収固定した日射エネルギーです、この仕組みは私たちが生物であることを辞めない限り、未来永劫受け継がれていくでしょう。

人類の祖先がアフリカ大陸の大地溝帯の人隅で生まれてから数百万年も経つといわれていますが、自らの知と労働を食糧生産に投入する農耕を覚えたのは、たかだか一万年前ほど前です、最終氷期が終わって地球が温暖化し巨大な氷床や山岳氷河が融解し縮小するにつれ広大な草原や低木林が現れてきた頃でした。

寒冷気候と極度な獲物不足のために、かなりの食料不足に陥っていた先祖たちは周辺にある草木の実や根を食料にし、その草木をきわめて初歩的に世話するようになりました、これが私達人類を現在に連なる新しい文明へ導いた農耕の始まりであったと考えられています、地球上の気候は当時も場所場所で相当に違っていたので、先祖たちがその生をゆだねた草木も土地土地で相当大きく違っていました、それゆえ私たちの生存を支える農業は、その誕生のときから適地適作というのが原則でした。

世界の各地で広まった農耕は多くの有名無名の人々の努力と工夫によって着実に進歩し、生産を上げ、社会の発展を支えてきました、そして現在では次の四つの資源を必要に応じて組みとし、しかも比較的に安く使用する高収性農業へと様変わりしていきます。

  1. 環境資源(日射、温度、水、土、二酸化炭素など)
  2. 生物資源(改良された高収性の作物品種、多産他収の改良家畜家禽品種)
  3. 技術資源(効果的な肥料、農薬類、効果的な農業機械類と資源、利用勝手のよい灌排水システム、農業技術情報システムなど)
  4. エネルギー資源(石油、石炭、天然ガスなど)

これら四つの資源を自由に使用できる先進農業国(アメリカ、カナダ、オーストラリアなど)は、たくさんの農作物を生産輸出し、多くの人々の豊かな食生活を支えています。

それでは60億人の世界の人々を支えている現代の高収性農業は、どれくらいの土地を利用し食料を生産しているのでしょうか、20世紀末の生存エネルギーの生産、獲得の様子は、地球表面の29.2%は陸地で、面積は148.89億haです、その中から気候、土壌条件の優れた土地を、耕地(13.69億ha)、永年作物耕地(1.32億ha)、牧野(16.96億ha)として利用しています、これは全陸地面積の約15%になります、これらの土地を利用して、穀類20億トン、大豆1.6億トン、糖類1.6億トンなどを生産し、60億人の人類と多数の家畜、家禽類を支えています。

つづく